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世界のはしっこ、ちいさな教室のmikutyのレビュー・感想・評価

4.0
ブルキナファソの僻地に単身赴任し6年間児童に読み書きを教える新任教師と、バングラデシュ北部の船上学校で中学進級のために指導する22歳の教師がすばらしかった。

前者は子どもたちが夜も勉強できるよう自腹でソーラーパネルを買って灯りをつけ、後者は学ぶことの意義を理解してもらえない生徒の親を根気強く説得する。
2人とも女性で、勉学が人生を変える成功体験があり「自由で自立した人生を手に入れるためになんとかして私が導きたい」と教え子を励まし続ける。

最初は自己紹介すらうまくできず落ちこぼれになりかけたイヴ君は、努力を重ねて次第に成績上位になり目の輝きが増した。
結婚相手探しに躍起になる母親に中学進級を反対されてきたヤスミンちゃんも、先生の後押しで逆境をはねのけ進級の道をつかみとった。

先生が「将来何になりたいの?」と問いかけ、「児童婚とは」と問題提起し、勉強だけでなく学ぶ目的意識を持たせたからこそ生徒たちは目覚めたのだろう。

代わりがいない仕事で教師のプレッシャーや負担は半端ないと思うが、教育環境に恵まれた日本では感じることが難しい、学びによる幸福を共有できるのはやりがいが大きいのではと思った。
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