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シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~のKKMXのレビュー・感想・評価

4.3
 シナロケの鮎川誠のドキュメンタリー。とは言え、シーナの話や娘たちの話も多く、鮎川家のドキュメンタリーのような雰囲気でした。自分はこれまでシナロケにハマったことは無く、ほとんど知らないエピソードばかりでしたが、すごく良かったです。素晴らしいドキュメンタリーでした。


 鮎川誠はとにかく人格者ですね!人格者というか、人類の完成系みたいな感じ。晩年のジョー・ストラマー兄貴くらい最高の人間性です。優しいしオープンマインドだし、腹は括れているし。そして家族を大切にしまくって愛情がめちゃくちゃハンパないという。パートナーのシーナさんもキュートでカッコよく、愛に満ちた人柄で、カリスマになるよな〜としみじみ実感しました。
 とにかく、この2人、裕也感ゼロ!裕也と真逆と言えば、どれだけ素晴らしく、愛に満ちて、平和で、グランジ性とは無縁であることが判ると思います!ニューイヤーロックフェスにシナロケはしょっちゅう出てた印象ありますが。しかし鮎川誠、ここまで人格者だと裕也のヤローもイチャモンつけらんなかっただろうな。

 シーナと鮎川誠の愛情の深さのルーツは、2人とも愛情深い家庭で育ったからでしょうね。鮎川誠は米兵とのハーフという話を知っていたので、きっとジョー山中とか山口冨士夫みたいな厳しい育ちをしていると勝手に予想してましたが、安定した環境で愛情も教育もしっかり受けて育ってましたね。優等生だったとのこと。たまたまロックにハマってロケンローラーになったタイプで、ラモーンズの連中やジョニサンみたいに「ロックやるかゴミのように死ぬか」みたいなタイプではないです。また、シーナの家庭も理解があります。鮎川誠とシーナに、子どもたちの面倒見るから上京して頑張ってこい、と発破を掛けたりと、異次元の物分かりの良さ!

 子どもたちへの愛情もハンパないシーナ&鮎川誠。ロケンローラーの子どもだからさぞかしパンクかと思いきや、この2人の娘たちなのでものすごくキチンとしてました。末っ子はロッカーですが、上2人は育ちのいいお嬢さんという風情で、さすが鮎川誠の娘、としみじみ実感。娘たちは「両親がカッコ良かったから父兄参観は楽しみだった」と語り、その感じも素晴らしい。シーナはボディコン着て通学路の安全指導してたみたいですけど。確かにカッコいい。シーナ亡き後は、末っ子がシーナの代わりを務めてましたし、鮎川誠も「家族の支えがあったからバンドを続けることができた」的なことを言ってました。超素晴らしい家族!


 関係者や同じロッカーたちが語る鮎川誠像もブレがなく、人柄最高すぎます。特にヒロトが高校生の時に、地元のラジオに鮎川誠が来たとのことでラジオ局に行ったら、鮎川誠にいきなり誘われていろいろ話をして(なんだこのオープンマインド感!)、ヒロトがバンドやりたいと言ったら「君ならできる!」と断言されたエピソードはマジで痺れました。鮎川誠カッコ良すぎるだろ!こんな体験したらロケンローラーになるしかないでしょ!それでヒロトは日本最高のロッカーの1人になったんだからホントにスゲー話でした。
 また、ヒロトの言葉はいちいち良いですね!鮎川誠が亡くなったことについても「いなくなったことは些細なこと。いたことが凄いんだ」という言葉はめちゃくちゃ胸に来ましたね。


 めんたい系ではほぼロッカーズ一択の自分ですが、改めてシナロケを聴いています。シーナが60’sポップスが好きで、ロネッツとかモータウン系の曲も多く、自分はロック曲よりもポップチューンの方が好きですね。



【愛情のロックバンド、シーナ&ザ・ロケッツ】

https://youtu.be/VeDiegAO1qc?si=uCScR6zWYXH7btFQ
Sweet Inspiration
シナロケで一番好きな曲。モータウンビートと間奏の歌メロギターソロがイカす!

https://youtu.be/FMgarAKDP_A?si=UgGLOkP9Hd6X8UwJ
ABC
60’sガールズグループ色がより強い曲。ライブだとロックな雰囲気になる。

https://youtu.be/d2MOn4ulcLc?si=Zdkw8yfyxictoAz8
レモンティー
鮎川誠がシナロケの前にやっていたサンハウスの曲。スタジオ版は好きではないけど、やっぱりライブだとこういうロケンロール曲は映えますなぁ🎸
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