旅するランナー

裸足になっての旅するランナーのレビュー・感想・評価

裸足になって(2022年製作の映画)
4.0
【حوريّة】

原題は主人公の名前HOURIAフーリア。
アラビア語で、自由や天使の意味。
アルジェリアの女性が自由を求めて、天使のようなダンスを見せるという意味でピッタリ。

「パピチャ 未来へのランウェイ」に続いて、ムニア・メドゥール監督・リナ・クードリ主演で描く。
「パピチャ」は、イスラム原理主義が台頭する内戦時代のアルジェリアを舞台に、理不尽な女性抑圧に抗い自由のために行動する若い女性たちを描いていました。
今作は、内戦時代の傷跡が心に残り、今も苦しむ女性たちの不自由さからの脱却が主題になります。
闘羊賭博など、日本人の知らない文化・風習を見ることができるのが興味深いです。
「コーダ あいのうた」の父親役でアカデミー賞助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーが、今作の製作総指揮を務めているのも意義深いです。

それにしても、リナ・クードリによる魂のダンスが、やはり心に残ります。
未経験から、バレエ、創作ダンスを約8か月特訓したという、彼女の努力の賜物でしょう。
喜怒哀楽と祈りの気持ちが伝わり、圧倒されます。
まさしく自由を求める美しき天使です。