N

グランツーリスモのNのネタバレレビュー・内容・結末

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

観てないのにネタバレを開けちゃううっかりさんに告ぐんだけど、迷うなら観にいきなよ。そして出来ればいい映画館で観なよ。
IMAXで観るとエンジン音で座席が振動するし、耳の横を爆速でレーシングカーが駆け抜けていくよ。最高。


あんまり車詳しくないし、レースなんて怖いだけで意味わからんと思ってたけど、この映画では全部美しく見えた。一つ一つの部品も、マシンも、必死に戦うレーサーも。映画って誰かの「好き」を分けてもらえるから嬉しい。


この映画の何が良いってとにかくレースの迫力。本物を知らないからリアリティについては分からないけど、すごくかっこよかった。
エンジンの振動、走行音、風圧まで感じそう。レース中のなんか…手元の操作、何してるかは分かんないけど重い機械の音が気持ち良くて痺れる。
終盤6秒差のとこ、低い視点で地面を広く映した画面が良かったな。ブっ飛んでいく車1台目、巻き上がる砂と落ち葉、無音……………からの2台目、ヤンの猛追‼︎左耳を掠めて飛んでいくマシン。生と死の狭間を駆け抜ける、0.1秒後には死んでもおかしくないくらい危ないスポーツだけど、こういう興奮が癖になるんだろうな。知らんけど。
撮影に結構ドローンを使ってて、それも良かった。マシンや観客の上からブワァーッと舐めるような映像、こんなの見れるなんて良い時代だぁ…。

演出でいうと、ゲーム画面と現実を重ねる描写がすごく好きだった。走ってる時にヤンの視界に展開されていくメッセージ、メーター、それから鳥瞰で一瞬ばちっと画面を止めて表示される順位。
グランツーリスモというゲーム作品から始まったこの物語でしか使えない演出だよね。ハァ〜〜〜すき。

それから車の部品が展開していく場面が全部すごく好き。冒頭からずーーーーーっと、グランツーリスモをプレイするヤンの周りに部品が展開して本物の車になっていく…つまりグランツーリスモがそれだけリアルなんだって示す描写になってるんだけど、ラストだけ逆転するんだよね。
本物のマシンでレースを疾走するヤンから部屋でプレイするヤンになっていく。何百何千の時間を走ったこの部屋が始まりで…そしてその経験が本物のレースに生かされるんだという理解と共に再び展開されていく部品、現実に戻っていく映像、すごく綺麗で泣けた。
あと単純にああいう細かい部品が組み合わさっていくor解体されていくのって美しくて興奮するよね。


総合的に王道スポ根サクセスストーリーって感じだけどわたしはそういうのが大好きだな〜と再確認した。かっこよくて気持ちいい。
CM見て、ウワ〜〜〜ラノベみたいな内容だな!(好き)って思ったけど実話を基にしてるのがすごい。ありえん日産…よく実行したなぁ。
序盤あまりにも上手くいくから内容薄いな〜と思ったけど、中盤から面白くなってきた。めちゃくちゃ分かりやすくフラグ立てるから、死ぬか?大怪我か?と思ったけど、「観客が」死ぬ可能性なんてこれっぽっちも考えてなかったから心が痛かった。というか普段この世界にいないから、観客が死ぬこともあるって思い至らなかった。苦しいね…。
垂直に飛んでいく車体、永遠のような地獄だった。戻れ戻れと願いながら、ゆっくりと90°を超えていく車体に絶望する。そこからの再起が映画的には面白かったけど、たった8年前に起きた実際の事故だと思うと…苦しい。こんな最近の死亡事故をエンタメにして良かったんだろうか。



以下一言メモ
・レース中に給油するのが普通なんだね(そりゃたくさん積んだら重くなるし距離によっては当然だろうけど、想像したことなかった)
・メカニックの腕の良さ、機敏な動きが勝敗を分けることも大いにありそうでめちゃくちゃ大切な存在だな(そりゃ当たり前なんだけど、想像(ry
・道に落書きあった。そんなふうに応援する文化あるの面白いね
・Kenny GとEnyaどっちも好きだから嬉しかった

今日も感想長すぎて自分でドン引きしてる やめられない止まらない
N

N