こなつ

グランツーリスモのこなつのレビュー・感想・評価

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
4.0
「グランツーリスモ」というのが、世界的に大ヒットしたドライビング・シュミレーター・ゲームで、その生みの親がソニーに勤めていた日本人であったということを、今回この作品で初めて知った。その位ゲームに疎い私でも強烈なカーアクションが刺激的で、ひとつのサクセスストーリーとしても十分に楽しめた。

ゲームのチャンピオンが本物のプロレーサーになれるのか?ゲームの実力が認められたヤン・マーデンボローが本物のプロレーサーを育成する選抜プログラム「GTアカデミー」に参加してヨーロッパチャンピオンになり、過酷な夢への挑戦をする実話。

プレイヤーの可能性を信じて「GTアカデミー」を発足させた日産マーケティングの責任者ダニー・ムーア(オーランド・ブルーム)がやっと見付けた指導者は、元カーレーサーとして過去に傷を抱えたジャック・ソルター(デヴィット・ハーバー)だった。ヤン・マーデンボロー(アーチー・マデクウェ)が、ジャックの厳しくも愛情ある指導で、その後現実にプロのレーサーとなり認められるという感動作。

ゲームでいくらドライビングテクニックが学べてスキルを身に付けられても、本物のレースでは予想もつかぬ事が起きるだろうし、クラッシュなどで大きな事故になることもある。命知らずの過酷な現場に違いない。素人の私でも、シュミレーターだけでプロになれる世界ではないと思うから、余計前代未聞のプロジェクトだと痛感する。

そんな若者の才能を信じて指導するジャックの存在感が凄い。実際に生のカーレースを見ているかのような迫力あるシーンが続く。全く知らなかったヨーロッパのレース会場の様子。車の内部の精密な機器類やドライバーに指示を送るコーチの呼び掛け。命をかける男達の熱さに圧倒された。IMAX鑑賞おすすめ作品。

ゲームばかりしている子供を心配するのはどの家庭も同じ。今まで子供を守ることに必死で、夢を応援してこなかったというヤンの父親の言葉が心に沁みた。
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