同名のレーシングシミュレーションゲームと、実在のGTアカデミー出身レーサーであるヤン・マーデンボローの実話をベースにした作品。監督は『第9地区』や『チャッピー』などSF大作で知られるブロムカンプ。
ストーリーはとにかく王道のサクセスストーリー。才能を見出されそれを開花させる第一幕、大舞台に立ち成長と挫折を味わう第二幕、挫折を乗り越えるために最後の試練に挑む第三幕と、非常にシンプルでわかりやすく整理された構成で、入り込みやすくアガれます。
その分フィクション要素も多いのだろうという感じですが、「ゲームプレイヤーが本物のレーサーとなりル・マン耐久レースで表彰台に立つ活躍をする」という芯の部分が本当なので、正に現実は小説より奇なり。
そして何より本作の大きな魅力はど迫力のレースシーン。監督が何よりこだわったのが実車を使った本物の映像で、車載カメラやドローン撮影を駆使したリアルな映像の迫力に圧倒されました。またIMAX劇場での上映を意識して撮影されており、解像度や画角調整もばっちり。当然IMAXでの鑑賞がおすすめです。
役者陣では、主人公を導く役回りのデヴィッド・ハーバーが魅力と存在感たっぷりで最高でした。また、主人公のモデルとなったヤン・マーデンボロー本人がスタントドライバーを務めているのも面白い。
ブロムカンプ監督のこれまでの作品とはかなり毛色の違う作品でしたが、王道レース映画としての出来はかなりのもの。SONYの自画自賛感がちょっと鼻につく感じもしますが(笑)、今年豊作だったゲーム原作映画に新たな良作が加わりました。
実に劇場鑑賞映えする作品なので、ぜひとも映画館でご覧ください。