グランツーリスモのささのネタバレレビュー・内容・結末

猛スピードの中で順位を競うカーレースは命の危険と隣り合わせ。

カーレースに限らず順位を決めるものに対して、トップに立つ者はどんな人物がいいのか。

勝利の為に命を投げ出せる者なのか。一種の価値観から逸脱した者の方がトップを得れるのか。

この映画の主人公が彼である意味を考えてしまう。
小心者と言われる主人公は、誰かを見下す事はなく自分のやってきた事を信じ真摯にトレーニングを繰り返してた。

そして、映画の死の描き方が第三者の死である事にびっくりした。
映画内で亡くなった人や遺族は登場しない。でもこの映画は事故であれ主人公が命を奪ってしまった事に対して真摯に向き合っていると思った。

自分との繋がりのないたまたまその場に居合わせた人だとしても死に対してちゃんと悲しめる。
作中に異常と言われるカーレースの中でこの感覚を持って、それでもレースをしトップを目指す意味。

最終レースで事故をフラッシュバックし、怖気付く主人公にメカニックが怒りをパワーに変えろと言う。
この怒りはゲーマーが侮られてきた事や、危険な行為が正当化される事、資本家がものを言わす事、色々な事に対する怒りだと思った。