グランツーリスモの世界中のトッププレイヤーの中から選出され、プロのカーレースに出場する為、育成しその過程で篩に掛ける事によって、普段は家でプレイしているグランツーリスモのいちユーザーが現実でも通用出来るのかという実験的、はたまたただの無謀な思い付きと揶揄されかねないプロジェクト＝夢物語がどのようなドラマをもたらすのかを描いた本作。
実話に基づいたからなのかもしれないが、個人的にはそこはかとなく人物の書き込みに浅さを感じてドラマも薄く感じた。とくに一緒にGTアカデミーで共にするゲームの猛者達や家族のパートも台詞などもう少し捻りが加われば深みも増したかと。あくまでも、あまり考えず凝らずにエンジン音の唸り上がる迫力のレースに没入できるがの為の映画だと思う。IMAXで見れば良かったなぁと若干後悔、最近はこの手の映画は可能であればIMAXがよりいい選択だと思うし、今作もそれがおすすめです。
デイヴィッド・ハーバー演じる、トレーナーのジャックの過去の傷を被い憂い、当初プロジェクトに懐疑的な眼差しを向け、仕方なしに引き受ける役どころで、役の特色を絶妙な感性で引き出し、とても魅力を感じた。
脚色だろうなと思われる箇所もあり(画面の疾走感からはおよそ想像出来ないケニーGとエンヤの癒しの音楽、それから対比のブラックサバスなのでなかなか味が出ていた)、飽きも来ず思いもよらない夢のサクセスストーリーを存分に堪能はできる。
