セサミオイル

グランツーリスモのセサミオイルのネタバレレビュー・内容・結末

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

CG良かった!
ヒロインがめちゃかわいかった!
ロケで色んな都市に行ってたのが良かった!



あとは苦言になってしまいます。

グランツーリスモの映画かと思ったら単にゲームが巧い割とヒョロヒョロの若者が突然実際のレースに挑戦するという話だった。成長譚としても甘い気がした。
割と早い段階からグランツーリスモはほとんど関係なくなる。
作りの甘いオーバーザトップやベストキッドを見てるみたいだったぜ(笑)
もっとゲームの世界と現実の世界を交差させて欲しかったな。ゲームチャンピオンが実車に乗るとこういう独特な思考回路が生まれるみたいなのとか、ゲームやってて苦労して克服した経験が実際のレースで活きた!とか、現実のライバルと偶然ネット対戦してけちょんけちょんにしてやったとか。ゲームでも愛用してた車種と同じ実車に乗るとか、ゲームの達人だからこそ実際のレースで勝てたみたいなエピソード。実際のアスファルトの上に走行ラインが浮かび上がる感じは良かったね!ああいったゲームの世界と現実をオーバーラップさせる演出がもっと欲しかった。
でもそういうのはほとんどなくてただのヒョロヒョロの若者がいきなり日産の車に乗って本番に臨むだけという。
無理あるだろそれ!その無理をいかにして実現まで手繰り寄せたのかという裏付けシーンが薄過ぎに感じた。

フィジカルを極限まで鍛えるシーンがないから現実味が薄かった。
ライセンス取得で下した相手がル・マンにもいたりとか、相手の強さも分からないまま勝ったり負けたりを見せられた。

これはスクリーンのせいかも知れないけど音に迫力がなかった。
ミックスが均一過ぎてダイナミクス(大小の幅)がなかった。
車の爆音よりセリフの方が大きい。
映画の中で一番音が大きかったのがどうでもいい東京のディスコだかクラブだか分からない場所のシーンという。

BGMも取り敢えずのダブステかケニーGかおっさんが聞く古いロックでこのBGMですが実は登場人物がSONYのウォークマンで聴いてた音でしたー!みたいなギミックを乱用してた。
新旧ウォークマンの比較をおっさんと若者の関係にダブらせる構図も必然性がないので単にウォークマン出したかったダケという風に見えた。

全体的にソツがなさすぎてスルスルスルスルと物語が進んで早送りやダイジェストを見せられてるようだった。

お涙頂戴の父子関係のくだりはまぁまぁ良かったけどレースの勝敗にあまり関係なかったかな?扱いが記号的に感じた。

グランツーリスモというゲームには本当に夢が詰まってて、eスポーツのチャンピオンが実際のレースに出たらどうなる?という設定ももうバカの本場アメリカが考えそうな夢の上に夢を上塗りみたいな最高にワクワクさせられる話だ。それだけに仕上がりが中々しょっぱかった。

絶対面白い話なのに話し方が下手だなぁ。という感じ。

封切りから間もなく上映回数が減っていったのも頷ける。