グランツーリスモの炒飯のネタバレレビュー・内容・結末

夢に燻っていた若者のサクセスストーリーというド定番のシナリオながら、テンポのいい作劇と迫力のレースシーンで高純度に作り込まれた傑作。

とにかく全ての要素が「こういうのでいいんだよ」で構成されており、観ていて余計なストレスになるものが一つもない。
ガールフレンドは常にまっすぐ主人公を応援してくれて、口の悪いツンデレ師匠とは着実に絆を育み、父との不和からの和解劇も美しくシンプルに着地する。前半では鎬を削ったライバルたちが後半で仲間になる展開も熱い。
このお話ならこれが見たいな、と思うものを全てしっかりした形で見せてくれるので、135分間ずっと気分が良い。

見せ場のレースシーンも、原作未プレイ＆車にさほど興味がない身でも手に汗握って見てしまう最高の出来だった。
ゲームのインターフェースデザイン等をうまく演出に取り込むことで視覚的にもわかりやすく、何より「この映画、グランツーリスモというゲームを大好きな人たちがノリノリで作ったんだろうなあ」と思える熱量が劇中のストーリーとも完璧にマッチしていた。