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ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人の鹿のネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

どの人物に焦点を当てて、どうみせたいかで決まる物語。王政で貴族階級が贅を尽くして行き着くところまで行った、滅びる寸前の滑稽さを貧民出の成り上がり高級娼婦デュバリーの立ち位置から見せる。国王の付き人(?)で、デュバリーの教育係(?)であり、理解者になっていく、ラ・ボルドの存在は、端から見れば完全に俗世から隔絶されたイカれた世界をある程度客観的に見せ、少しばかりの人間性を保つ役割を担っているように見える。
デュバリーは、初めのうちこそ意味のない慣習を破り、新鮮な魅力で一部の人々を惹き付けるが、所詮は王の庇護がある内のエピソードでしかない。
作り手の意図があまり成功しているようには思えない、まぁ、お金はかかってそうな作品だなぁ~という感想にとどまった。
それにしても、こういう歴史上の噴飯ものの世界観は世界中に存在していたが、今の想像力をどれだけ駆使してもそれらを超えられないのが凄いよなぁ~。渦中にいると気がつきにくいけど、いや、それおかしいよ?っていう世界は滅びる一歩手前なんだと分かる立場にいたいような気にはなる。
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