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ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人のせっのレビュー・感想・評価

4.1

ルイ15世最後の"公妾"として権力を持ち、宮廷の中で疎まれ、その後マリー・アントアネットとも対立したジャンヌの人生を描く話。

公妾とはなんかキリスト教の中で愛人を持つとかの不貞行為が認められてないから、無理矢理体裁をととのえて側室を持てることを公認した歪な制度らしい。だからジャンヌは、男性社会の体裁を保つためにめっちゃ振り回されてるのだけど、それをユーモラスに受け取り、流れに身を任せている感じが好感をもてた。

宮廷の中だって俗世のように乱れているのに、規律をめっちゃ重んじるから、妾になるために貴族と結婚させたり、"鹿の間"という場所が物理的にはあるのに正式に妾として認められるまで表向きには隠されてたり、いらん遠回りをしている。これによって、余計な苦しみを生み多くの人を傷つける、信仰とは?宗教とは?

1番酷いのは、最期の時に自分の罪を懺悔しないといけないからジャンヌは惨めにも追い出されるのだが、その懺悔が人としての最大の罪になってるから変なミルフィーユ状態でもはや笑えた。その行為によって地獄行きが決まっただろうに。

愛人関係に限らず、宮廷の変な慣習が沢山描かれていて、権威というものの滑稽さをジャンヌの視点で一緒に笑えるのが良い。寝起き大勢に囲まれ身支度とか、本当に王のことを崇めるなら寝起きはゆっくりさせとけや。
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