思った5倍良かった。ソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」好きは必見。
マリー・アントワネット側から見た彼女は、淫乱で育ちが悪く品のない公妾。
しかしバリー夫人側から描かれた本作は、王宮の中での彼女の生きづらさが伝わる。自分だったら3ヶ月ともたない底意地の悪い王宮の中で、失うものは何もないと堂々とした振る舞いは、籠の中の鳥同然だった王宮内でのパイオニアとなる。
女性達がバリー夫人の服ばかりか、ホクロの位置まで真似をしだす。
求めたのは王の愛。
王が死んでしまったら、牢獄同然のコンクリートで四方を囲まれた修道院へ。
この時代の女に生まれた人生の儚さに胸が痛んだ。