シリシャリ

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人のシリシャリのレビュー・感想・評価

3.6
デュ・バリー夫人ってめちゃめちゃ聞き覚えあると思ったら『ベルばら』かぁ。
この映画だと、当時としてはぶっ飛んでるけどさっぱりした性格の女性として描かれてるから、印象が全く違う。
池田理代子先生はマリー・アントワネット側の立場で描いたから、ジャンヌは悪女にしたんだね。
ウィキには「朗らかで愛嬌がある親しみやすい性格で、宮廷の貴族たちからは好かれていたという」とある。
1700年代の王の妾の詳細なんてホントのところは誰にも分からないのかも。
生い立ちでさえ映画とウィキとで食い違いもある。

まあそれでも王の寵愛を受けたことは事実だろうし、肖像画も全くのウソは描かないだろうから、美女ではあったのだろう(私の目から見ると肖像画も美女には見えないが)。
ただ、その役をマイウェンさんが演じた訳がわからない。
マイウェンさんも個性的な美人ではあるけれども身長が173cmもあって年齢は47歳。
ジャンヌが処刑されたのは50歳だけれど
この映画で彼女が演じたのは、王に出会った(1769年)25歳くらいから王が亡くなる(1774年)30歳くらい迄が中心。
できればシャネルの豪華な衣装が良く似合う30前後の正統派の美人女優さんで見たかった。そうすればスコアももっと上がったはず。

監督・脚本も務めてるのに更に「この役は私にしかできない」ってなったんかな?それとも元々、映画製作自体を私ありきで始めたんかな?
しかもルイ16世役で息子まで出演させちゃって(まあ、イケメンではあるけれども顔がちっちゃくて背が高過ぎて違和感あった)。
自分がジョニー・デップといちゃいちゃしたいのとイケメン息子を自慢したかっただけの映画ちゃうやろな!
(ジョニー・デップとは不仲とのウワサがあるらしいけど、それも撮影中の愛憎のもつれだったりして?)
ジョニー・デップ出すのにお金掛かるから、主演女優に払うお金の節約の為に自分でやった?息子もボランティア?

権威を振りかざす為に作り上げられた滑稽な儀式や作法の空虚さと、生身の人間の真実の愛を対比させて描きたかったとか言う?

そりゃジャンヌは性に奔放だったんだろうけど、それがイコール真実の愛ということにはならないんじゃないかなぁ。王様が一番金持ちだから妾になっただけで、愛ではなく打算じゃないの?

性に奔放なところや破天荒さがマイウェン本人に通じるものがあったのかもしれないけど、彼女が演じるとお顔立ちのせいか何かちょっとマヌケで野性的な感じになっちゃうんだよなぁ。

ジョニー・デップは良かった。道化のような王の滑稽さが自然で、何不自由の無い生活ながら、虚しい人生の物悲しさも感じさせてくれて。

それにしても王の公妾が誰かの妻じゃなきゃいけないっていうのは
どういうルール?
身元がちゃんとしてる証明になるから?
子供ができた時、旦那の家でキチンと育てて貰う為?
飽きて捨てる時、返す場所があって便利だから?
既婚者は性病の心配が少ない?
貴族は綺麗な奥さん貰ったら、常に王様に取られる覚悟してなきゃいけなかったのかな?王様に献上できることは、むしろ誇らしいことだったりして?
ルイ15世は特にやんちゃだったらしいから、パリの社交界が全員彼のお手付きにならない為の彼の時代だけの特別ルール?