マダム

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人のマダムのレビュー・感想・評価

3.0
史実のジャンヌは機知に長けた朗らかな女性であったという。それに加えて男性服を着る、馬に跨る、ストライプのドレスを着る。ストライプは男性だけが身に着けていた柄である。これらは当時としては破格の不作法であった。
こういったジャンヌの不作法を、劇中では性差を超えた革新性としてポジティブに描いている。そこが今作品の見どころのひとつになっているようだ。

ルイ15世の娘たちとの確執、輿入れしてきたマリー・アントワネットとの一連のエピソード、小姓として迎え入れたアフリカの少年ザモールの存在、15世が崩御して消されるバルコニーの蝋燭、礼拝堂で祈っていた16世とアントワネットの元に臣下が集まり「ルイ16世陛下、万歳!」と叫ぶなど、ちゃんと史実に沿っていてなかなか骨太な作品であった(出典はたぶんツヴァイク)。

15世の公妾でさえなければ生き延びていたかも知れない。野心など持たずテキトーな貴族の庇護を受けて亡命していればそれなりに天寿を全うできたかも知れない。でもそんな生き方を選ばないのがジャンヌなのかも知れない。

https://ameblo.jp/kin-za-za/entry-12842691985.html
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