眠る猫

ふたりのマエストロの眠る猫のレビュー・感想・評価

ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)
3.8
クラシック界、それも指揮者の話ということで鑑賞。
ミラノスカラ座の指揮者ということで、勝手にイタリア映画だと思い込んでいたらフランス映画だった。
そしてフランス映画らしかった(笑)
話の起結は予告編とポスターでなんとなくわかっていたけれど、予告編通りの起でポスター通りの結だった。で、その間は?と言った感じでフランス映画っぽい。(承転がふんわりしてる。個人の偏見です)

父は実力派のベテランの指揮者だった。息子も力をつけてきている。共にミラノスカラ座の音楽監督を夢見ていた。
息子に頼むはずが、スカラ座総裁の秘書が間違えて父に電話してしまったところから話が進む。
父と息子の確執がありそうだけど、そこはふんわりしている。
間違いは本来ならスカラ座側から本人に謝罪があるべきなのに、周囲が気をつかい言えずにいるけれど、結局バレてしまうのだけど、そこがもう少し丁寧に描かれているといいかなと思うけど、観客に想像の余地を与えるフランスらしさかなとも思う。
それでも、父と息子のシーンやラストは泣けてくる。

孫と元嫁がよく出来た人。
ヴァイオリニストの彼女がイマイチよくわからないポジション。結局ミラノには元嫁と彼女と2人とも行ったのか? 

ラストに至るまで、そこももう少し見たかったけれど、それもフランス映画と思えば、そうかそうかと思って良しとする。

通してクラシック音楽が流れているので、見ていて心地よい。

主役のドニが小澤征爾さんを敬愛している設定なのか、ちょこちょこ名前や映像が登場する。
ドニを演じた俳優さんが、若い頃のムーティに似て見えてくる不思議。
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