はぐれ

瞳をとじてのはぐれのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.5
待ちに待ったビクトル・エリセの31年ぶりの新作を公開初日に鑑賞。記憶と映画と想いを辿る物語。エリセだけに許された自身の映画へのオマージュ。31年間の空白期間とまるで戯れるかのようなストーリーテリング。『ミツバチのささやき』のあの少女の眼差しが陰影の深いライティングによって遠い記憶の彼方から観客の脳裏に蘇るまさに奇跡のような場面。奇跡はドライヤーだけの専売特許なんかじゃない。泥臭いやり方かもしれないがエリセは映画の力を信じて止まないのだ。
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