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瞳をとじてのtakehiのネタバレレビュー・内容・結末

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

おじさんの映画日記 瞳をとじて編

ビクトル・エリセ監督の長編新作映画を今更観れるとは思いもしていませんでした!
去年の午前11時映画祭でミツバチのささやきをロードショー以来再観戦してやっぱり感動して楽しんでレビューを書いていたら新作のニュースを目にしてて驚きました。。ミツバチ、、エルスール、マルメロの陽光、この監督さんの作品って詩的で静かな映画なんだけど画面を観ていると心の動き、エモーションがワアァァって伝わってきてドキドキとかワクワクしちゃう瞬間があって映画を観ている喜びが溢れ出すのです!!

さて本作品は、、流石に前半男達のドラマは重く、なんとなくついていけず、うーんちょっと退屈ってしまいましたが、
アナ・トレント(ミツバチのささやきで映画ファンの心は持っていかれたでしょう的伝説の幼女)の登場、長台詞長回しのアップシーンに時の流れが刻まれその深みのあるお顔立ちにやっぱりテンションが上がる私でした!(この映画のある意味メインイベントだったかも知れません、まさかの名セリフの再現にも体温上がりました笑、本当に去年のミツバチ、、再映観ておいて良かったです)

初日2回目上映回某アップリンクの客席では複数回寝息が響く不穏な瞬間がありましたし私の隣の方は携帯を何度か確認する姿があり軽く衝撃を受けました、気持ちはわかります、結構私も顔いじったり、ミンティア嚙っだり頑張ってました。

以下ネタバレ有り レビュー全体的に大げさな表現になっていて恥ずかしいと感じますが、ファンなんでm(_ _)m

昔消息を絶った俳優の件のテレビ番組の出演を終えた主人公の元映画監督は自宅へ帰ります。
彼の住まいは多分同じ敷地内に若い夫婦奥さんは妊婦で旦那は俳優志望?とデカ足ってあだ名で呼ばれる独り身の漁師のおじさん、そして主役の元映画監督さんの3組で住んでいるようです(あと元監の愛犬が可愛過ぎでした♡)海が目の前で部屋にも波音が聞こえたりします。。皆で仲良く夕食を食べ、ギターなんか弾いて歌なんか歌ったりしてなんか良い感じです(でもまもなく追い出されるみたいなことを話していました)この普段の生活の描写あたりから画面が急に生き生きと動き出します、おお!なんか楽しいぞ!!
そこへ消息を絶って行方不明の俳優が記憶喪失になっていて、老人介護施設にいることがわかり、主人公は確認を頼まれて出かけることになります。
もうあとは黙って見ていてください、おじさんはラスト30分でけっこうワクドキしてしまいました!
その展開にビクトル・エリセ監督って映画が好きなんだな、信じているだなって伝わり感動してしまいました。
(ミツバチのささやきのラストを見てこの監督さんはなんか僕らの味方だ、映画好きの仲間って勝手に感動してましたが本作品でも同じ思いになりました涙)

ラストのオチは観客に委ねられるタイプなんですが、、私はきっと奇跡が起きたと信じています!!元俳優の男の表情を観ながら、私は思わずタイトルを呟きました、その瞬間にエンディングとは、、余韻が凄くて心の中で拍手しておりましたよ!!(了)

追伸
エンディングロール(確か最初にも、)しつこく(失礼笑)映し出される庭のチェスの王様の石像には若者と老人が後ろ前に同時に存在しています。 過去と未来 今と過去 未来と今 過去のアナ今のアナ 映画の男と現実の男、、、石像は映画や人の歴史とか歩みそのものを象徴するものとしてあるのでしょう、、本作品には私が思いもよらぬエリセ監督の沢山の思いが表現されているのでしょうね。。
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