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瞳をとじてのbunrokuのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.5
海に向かって開かれたトレーラーハウスや養老院。時の流れに逆らうことなく淡々と営為する日々。そんな中では過去の経験や記憶なんて、その意義は霧散するに違いない。だから結局、奇跡が起きようが起きなかろうが、本当はどっちでもいいのだろう。たぶんこの物語にはビクトル・エリセの個人史が込められているんだろうけど、そんな「あの人はいま」的な観客の好奇に満ちた視線を打ち負かさんとするかのような、ラストの強い視線が印象に残る。とにもかくにも、エリセの新作に出会えたことがなにより嬉しい。
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