まるで鈍器で頭を殴られてしまったかのようなインパクトだ。
エンドロールに切り替わった瞬間、
私の頭の中が混乱を起こす。
率直にいうと、訳が分からない。
訳が分からないが、
何か強烈な感情の渦の中に自分がいる。
多くの感想を言うことができないが、
映画を心底から愛する人には
見てほしいと願う作品である。
映画とは、その音と映像に没頭することで、誰かの人生を追体験することができる芸術、娯楽装置だと私は考えている。
その人生の一部を追体験する事に、
明確な答えは要らないのかもしれない。
人生はいかなることがあっても続いていく。
人の老い、若かりし頃の夢、美しい日々。
記憶と経験。
本作に描写されるものは実に丁寧で重厚であり、
私は感想をまとめることがまだ何ひとつできない。
冒頭、睡魔に襲われかけた展開が続いたし、少しばかりの古臭さを感じる点もあるが、
されど、本作は次元を超えたレベルで
製作された、これぞ映画である。
映画でしかなし得ないあの感覚を
鑑賞するものに
もたらすものであろう。