映画撮影の途中で主演の俳優フリオが突然行方不明になる。22年の時を経て、映画監督で友人のミゲルは、テレビ番組の取材を受けフリオを探そうとする。
重厚感ある最初の物語が劇中劇であるという展開から、緩やかで静かに物語は進む。
中盤ちょっとダレる雰囲気はあるが概ねじんわりと惹きつけらる。終盤の展開は人生の切なさと、記憶を持つ者の宿命である苦しみを感じる。
フリオのシンプルな日常が余計に切ない。娘の胸中を思うと感情の波を感じない分苦しい。
不思議な作品だった。劇中劇のヒロインの少女がとても可愛らしく美しかった。あの眼差しは息を呑んだ。
