藍紺

瞳をとじての藍紺のレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
4.0
撮影中に失踪した主演俳優フリオとその映画監督ミゲル。二人は親友でもあった。22年後、失踪したフリオを特集するTV番組にミゲルが出演協力するところから、止まっていた時が動き出す。

映画の中で映画を描く。ここ数年急激に増えたように思うが、世界中で示し合わせたように同時多発的に作られるって本当に不思議。今作でマックスが言及していた通り、古き良き映画の形はどんどん変化して跡形もなくなってしまうのかもしれない。人々の持っている「記録」や「記憶」はいずれ朽ちてしまうかもしれない。でも、たとえ映画は未完成の記録となっても、互いに過ごした時間の記憶は失われても、それはそれじゃないだろうか。誰かの心の中に残るものは確実にあると思うし、“確かにそこにそれは存在した” それでいいと思える作品だった。

「ミツバチのささやき」を再鑑賞してから観た方がより良かったんだろうな。当時映画館で鑑賞した世代には素晴らしく心に響く作品になったんでしょうね。自分にはまだまだ時が足りてない気がしました。もっと人生勉強します。
藍紺

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