瞳をとじてのああおうえいのネタバレレビュー・内容・結末

今年暫定ベスト。瞳をとじて

・長いけどほぼずっと面白かった。ディゾルブが多いのが印象的。こんなにも多い映画は初めてかも。それは出来事が終わるまで見せ切らない省略があまりにも多い映画であるからだと思う。場面の数もめちゃめちゃ多い。いろいろと巧すぎる映画。「悲しみの王」が劇中映画であったことに気づいたところから一気に引き込まされた。しかもそれが打ち切りになった映画であることも面白い。その打ち切りになった映画で「悲しみの王」の主演俳優の記憶を取り戻させるというラストも大胆かつ巧い。非常に刺激的。すごい緻密に設計されてると思う。キャラ全員に哀愁があっていいキャラ。この映画に出てくるキャラの大体が世間一般から見ても本人自身も人生が楽しくなく退屈でくすぶっている人たちであるんだけど映画の力で人々をつなぎ止め救い上げるところから監督のそれぞれのキャラへのまなざしのやさしさを感じた。この映画は会話を中心とした人が人を見るという視線を強く感じる映画。それはフリオというピースをはめようとする人々の希望のようなものに感じた。