このレビューはネタバレを含みます
80過ぎのエリセが2時間半超えの長編撮ってアナ・トレントも出てくるならそれはもう”遺書”じゃないですか…と観る前から思ってたけど、やはり”遺書”でしたね
星なんて下品なものつけたくないじゃん
アナがみんなに見守られながら扉を開けてソイアナってつぶやくのはさすがにファンサがあざとい……と思ったがしっかり泣いちゃった……ずるいぞ……結局ミツバチでは自らソイアナって言うシーンが無かったアナがついに言ったという、反復であるだけでなくその先に行った演出になってて……ずるいぞ……………
「その先」という意味ではエルスールの先としての物語でもあると思われた。番組の放映で終わるのかと思ったらなんならその後が本編で、ほんとはエルスールはここまでやりたかったわけか…と
そんでもって主人公がおじいさんであるというのがまた、エリセが少女性に頼らずに自分自身を描いてるというのか…という泣きもあった
あとそう!リュミエール兄弟!そこでリュミエール兄弟出してきたら泣くて!!
あとじいさんふたりが懐かしい歌を合唱するのはマルメロを思い出してマルメロも入れてくるかいあんた……となってまた泣いて
昔の彼女が主人公の好きな歌を一発では当てられない(でも二発目では当てる)という心の切ない距離感をさらっと入れてくるのもすげー好きだし
他人と向き合う、自分と向き合う、我が子と向き合う、親と向き合う、海の上の小舟に揺られるおじい、劇中劇、などなど、過去作だけでなく私自身の個人的な思い入れと結びつくモチーフがあまりに多く、しかもそれを撮ったのはビクトル・エリセで、けっこうもうどうしたらいいかわからん
とりあえずありがとう