Blake1757

瞳をとじてのBlake1757のレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
4.0
ビクトル・エリセの随分久しぶりの長編ということで期待感をもって劇場に足を運んだ。
劇中でのある出来事で物語が大きく動くところまでは、会話中心でそのシーンの多くはクロースアップの切り返しが多く、名作「ミツバチ~」ほどには魅力的なショットは少ないなと感じていたのだが、あれはかなり意図的な撮影プランだったのだろうと、後半途中でなんとなく勘づいた。あれらのクロースアップとシンプルな切り返しの多用は、終盤への布石だったのだろう(いわゆる伏線とかそういう話ではない)。
それから、歌を歌うシーン(シーケンス)がいくつかあったんだけれど、それはどれもが素晴らしかった。
終わってみれば見事な作劇(物語・シナリオ)で、満足度の高い映画体験となった。

*以下のコラム、僕がぼんやり感じていたことを、見事に言語化してくれていてありがたい。「『瞳をとじて』には、3つの種類の映像がある。」以降に書いてあること、そうそう、こういうこと。
「ビクトル・エリセの31年ぶりの長編映画『瞳をとじて』に仕掛けられたものとは」(ザ・シネマ)
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