Soseki

瞳をとじてのSosekiのネタバレレビュー・内容・結末

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

心待ちにしていた作品だったが、ちょっと残念。
以下はメモ。

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瞳を閉じると場面が変わり、映画が終わる。そこから先は、各自が思い思いに想像力を羽ばたかせる。

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劇中の映画は、「老いた男」が「血を分けた娘」の捜索を「疲れた男」に依頼し、死に際に再会する話。撮影中に「疲れた男」を演じた俳優が失踪して撮影は中断し、お蔵入り。

劇中の映画を撮影した元映画監督のミゲルは、息子を失い、妻とも離婚し、喪失感を抱える男。とはいえ、近所の若い夫婦と楽しく飲み歌い、かわいい犬がそばにいる。
失踪した俳優は古い友人でもあり、きっかけがあって数十年後に彼を探し始める。

失踪した俳優であるフリオ=ガルデルには娘がいるが、ほとんど家に寄り付かず、失踪後は過去の記憶を失い、娘と再会してもそれと気が付かない。
その記憶が、映画の力で蘇るか?

という構造と捉えた。
が、この構造が好きか、心が動くかと聞かれれば、そうでもない。

子どもが大事だと思うならば、一緒にいる時間を大切にすべきだし、血縁があろうとなかろうと、時間を共有したいと思える人がいればそれでいいと思う(例えば、血縁があるからと言って毒親と一緒にいる必要はない)。こういう価値観の者にとっては、鍵となる劇中の映画があまりにも古臭く感じるのは否めない。オリエンタリズム全開だし。

映像とアナさんの眼差し、あとスペインの南方の土地の空気感は素敵だった。
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