すみ

瞳をとじてのすみのネタバレレビュー・内容・結末

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

おすすめされたから観たけど、他の3時間超え名作映画にはあまり及ばないかなと。

前半、中盤の長さが終盤に生きてくるっていう考え方はわかるけど、前半を観てる時点でその尺が愛おしく輝いて見えたり、不穏で張りつめるのが良い映画だと思った。
でもこの映画を主人公、監督と同年代の方が見たらそう思えるのかもしれない。

ゆるやかな老いと孤独に向き合い折り合いをつけていく、っていう解釈の人が多い気がするけれど、主人公のおじさんはだいぶ勝ち組の人間だから一般化できない気がして、その大きな括り方に違和感があってしまう。
家族の喪失があっても信用に足る友人がいて、全盛期以降自分なりの傑作がつくれなくても名を知ってもらって細々と物が書けて、それで生きていけている。
この監督の自己投影なんだろうなと思うと羨ましいとすら感じてしまう。



自主映画を作る人が、制作者としての葛藤とか人生の振り返りを映画化してはいけないと感じた。そこで何か終わってしまうというか、
映画の中で映画をつくるのは、挑戦ではなく振り返りであり、終わりへの身辺整理、心の準備に見えた。
この監督がそう見させたのかもしれないけれど。
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