はせ川

瞳をとじてのはせ川のレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
5.0
地方のミニシアターで鑑賞。客層は50代以上が8割で、30,40代は片手で数えるほど。これはいつもの事だ。ミニシアターブームを支えた巨匠の30年ぶりの新作に映る大半の人物もまた、妙齢を過ぎた諸先輩方だ。「映画を語る映画」の総大将のような風格と圧巻のショットの連続。特に、小屋でも、海を望む時でも、壁を塗る時も、二人が並ぶ瞬間のショットの完璧さたるや。ストーリーは明快で面白さを持続し続け転がっていき瞳なんて閉じれるものかという気持になる。「老害」という言葉が、誰しもが老いる事を自明とせず蔓延しているように見える昨今に、この映画から感じる"映画というもの"そして"老いる事"の希望や憤りや諦めや示唆は嫌味な説教臭さを全く感じず、眩しく観えた。
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