トラジャ

瞳をとじてのトラジャのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.7
ビクトル・エリセ監督の作品はは過去のうろ覚えだが、あいまいなニュアンスで魅せるイメージだった。
でもこれは違う。
はっきりと目的がありストーリーが流れる。

すごいな〜
題材としては決して入り組んだものではない、それなのにこんなにも何層にも重なった深い深い重厚なものに。
映像も奇をてらう事なく、そのままを洗練された感覚で切り取る。

最初はストーリーがそんなに進まなくて、どんよりしててこのまま進むのかと思いきや後半に、、、

全体にはフラットだが、フワッと感動を覚える場面も散りばめられていて素敵だった。
ミゲルとフリオの2人並んで壁に
漆喰を塗る、その前では洗濯ものが、風にブワンブワンと靡いてる。

高齢者施設のすぐ前が海で、海のうねりを眺めるフリオとミゲルの後ろ姿を真後ろから四角く切り取ってる場面も好き。
あれ?記憶が曖昧になってきた。。


最後のフリオの顔の変化!
思い出したのかも、、顔つきが険しい無の表情から生き生きとした目の変わった。すごい表現力。

過去の映画へのオマージュ的な要素も?
アナ・トレントが出てくるし、20年前に撮った映画を自分で上映するところとか。


アナ・トレント、眼差しはミツバチのささやきの少女のまま。それでいて美しく年を重ねていて、、
他にも昔の恋人の歌手も魅力的でいい年の取り方してるなーと。

アナトレントに似た眼差しのアジアの少女が出てきた。エリセ監督はこういう相手の心を揺さぶるようなまっすぐの目を持つ少女が好きなんだろうな。

ミゲルの海辺の暮らしもよかったな。
高齢者施設ってスペインでは修道院がやってるの?
いいな。
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