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先生!口裂け女です!の消費者のレビュー・感想・評価

先生!口裂け女です!(2023年製作の映画)
3.8
・ジャンル
青春/コメディ/アクション/ゴア

・あらすじ
不良の高校生タケシは舎弟のF1と共に原付を盗んでは半グレグループ“レッドキング”に売って金を稼いでいた
ひょんな事からそこに転校生アヤカも加わり3人はいつも通りに盗み出そうとするが持ち主の女に見つかり超人的な身体能力で追われる羽目に…
マスクを取った女の姿はまさに“口裂け女”だった
幸い彼らは無事で済んだがタケシは謝礼金目当てで彼女の写真を都市伝説雑誌に送る事を思い付く
それは女が近頃多発している失踪事件の犯人ではと疑っての事でもあった
タケシの姉カオリも加わり彼らは作戦を決行
しかし敵うはずもなくすぐに追い詰められてしまう
だが口裂け女はただ原付を返して欲しいだけの様で…

・感想
昭和から平成にかけて社会現象となった都市伝説上の存在、口裂け女を題材とした世にも珍しい青春アクションコメディ
主人公タケシの父シゲオ役を同じく口裂け女を1作目で題材とした「コワすぎ」シリーズの工藤役でお馴染み大迫茂生が演じている
昨年の話題作だったので鑑賞

口裂け女のアクションが観られる、という事だけは事前に知っていたけど良い意味で斜め上の展開で面白かった!
世界観としては青春系邦ドラと特撮を組み合わせた様な物なのでそれだけだと退屈になりそうな所を口裂け女がヒーローとして機能する事で楽しく観ていられる
普通に深夜帯の連ドラとしてやっていても不思議じゃない感じ

また口裂け女が披露するアクションが単なる格闘だけでなく終盤でしっかりゴア描写があったり、その場にある物を活かした多彩な戦い方を見せてくれるのも嬉しい
人の命が軽く奪われるタイプの人体破壊を主体としたスラッシャーが好きな人には刺さると思う
「殺し屋1」と「デッドプール」の中間の様なキャラクター性も良いし何より素が可愛かったのが特徴的で好きw
それだけにもっと出番が多ければ尚良かったかな

惜しかった点としては半グレと連続殺人犯との対峙が同時進行で行われたり青春ドラマとしても恋愛、友情、仲間割れ、師匠と弟子など詰め込まれ過ぎていてやや忙しなさが目立つ展開
そこを考えるとやっぱり連ドラでやった方が良かった気がした
キャストの顔面偏差値も高めだから観る人それなりにいると思うし
あとせっかく大迫さんを出すなら「コワすぎ」へのオマージュも欲しかった

とはいえ一作品として面白い事は確かで端々に安っぽさはありつつもエンタメ映画としては十分楽しめた
欲を言えばもっとゴアマシマシで暴走する方向性だと更に良い作品になっていたとは思うけど大衆向けな内容だからそこは許せる範疇
こういう怪作がもっと今後も日本から出て来たら良いなぁ
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