健一

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。の健一のレビュー・感想・評価

3.8
永遠の2 。   🥹





原作など全く知らずに本作を鑑賞。

今の若い子たちには こうゆう形で戦争の悲惨さ、恐ろしさ、虚しさを教えていくんだね。
現代の女子高生が戦時中の1945年にタイムスリップして・・・
なんて最初はバカバカしいと思っていたが『初めて愛した人は特攻隊員でした。』のフレーズに劇場に足を運ばずにはいられませんでした。 🥹

『特攻隊』と言われると何故か私は元総理大臣の小泉純一郎さんを思い浮かべてしまう。
現役中に国会でこんな事を言っていた。
『私は窮地に立たされるといつも特攻隊員のことを思い出す。彼等がどんな思いで大空へ向かっていったのか。どんな思いで命を捧げたのか。彼等の思いに比べたら今の私の悩みなんて屁でもない!』
と、述べていた・・・

そしてもう一人。三船敏郎。
彼は実家が写真館だった為カメラの扱いに精通していたので戦地には行かず特攻隊員の遺影を撮影するカメラマンだった。
撮影する際、三船敏郎は飛び立つ若者達にこう言って送り出した。
『最後の時、天皇陛下万歳なんて言うな! お母ちゃん と叫べ!』と。

現代の女子高生と特攻隊員との実らぬ恋。
どれだけ『現代のオジサン』を泣かせてくれるのか・・・


さて本作。 ネタバレあり。


はい!大号泣です。😭😭
コッテコテの内容で頭に描いた通りに事がトントン拍子に進んでいくので劇的なサプライズは全くもってゼロ。
まぁ、だからこそピュアに泣かせてくれるんですけどね!😅
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」か!
とツッコミたくなるくらいの 雷⚡️でのタイムスリップ。
そこから始まる予想通りのストーリー。
現代の戻り方がイマイチ納得いかないが・・・

でも主演のふたりのピュアな演技は素直に涙を誘う初々しいお姿でした。
現代の女子高生はまさに観客たちの代弁者。
戦争の意味とは? 生き続けるとは?
命を捧げるとは? 生き恥とは?
我々の代表そしてあの時代に行って当時の人々に突っ込んでくれるのが痛快。
自分だけが 戦争に負ける ことを知っている。
自分だけが もうすぐ戦争が終わる ことを知っている。
なのに死に急ぐほぼ同年代の若者たちを止められない。
その歯痒さを見事に描いていたと感じた。

ふたりに残された時間はわずか。
『自分のことを下の名前で呼んでほしい。自分も君を 百合 と呼ぶ。』
こんな事言う?とも思うのだが残された時間を考えるとそうでも言わないと・・・
ふたりが『彰(あきら)』『百合』と呼び合う過程が早過ぎるとも感じたが やや納得。

空襲のシーンや零戦が飛び立つシーンも意外とリアルでベタな内容ながらも若い観客たちに戦争の虚しさを本気で伝えようとしている姿勢はヒシヒシと感じた。

現代に戻ってからの分かりやす過ぎる展開はやや冷めてしまったが、同時に熱い涙が溢れ出したのも事実。
しかし『泣き損』とまで感じることは無い。

何千機という零戦が敵の空母に突っ込むため飛び立って行ったのに実際 空母に突っ込めた零戦は2割も無いのだとか(多くは突っ込む前に撃墜されている)。
彰(あきら)の零戦はどうだったのか・・・
どちらにせよ彰(あきら)は最後の瞬間『天皇陛下万歳』でも『お母ちゃん』でもなく彼女の名前を叫んであの世へ行ったと心が勝手に信じてる・・・



2023年 12月8日 公開初日 8:05〜
グランドシネマサンシャイン池袋screen 10
💺152席
客入り 30人強?

みなさまへ。

年末。ここから年始まで激烈に忙しいです。😥
Filmarksもかなりペースダウンせざるを得ないと思われます。
どうかご了承ください。🙇
健一

健一