反戦のメッセージを明確に示したヒューマンドラマ。何よりも主人公の成長や心境の変化がわかりやすく表現された構成は巧い。
特攻しないで…そう願う福原遥の感情の機微が素晴らしく、想像がつく後半も見事泣かされた。秀作。
期待以上に良かったです。
惜しむらくは、絵的な面白みに欠けた点かなぁ。戦争をテーマにした作品なので、もう少し撮影や見せ方で動きが欲しかったのが正直なところ。脚本がお手本のような構成だったこともあり、この映画誰に撮らせたらもっと面白いだろうなんてことを考えてしまいました。
しかし、CMディレクター出身で長編映画2作目となる成田洋一監督の才能を感じざるを得ませんでしたね。
正直、最初は邦画のよくある御涙頂戴系かなぁとか舐めてかかってました。
なんなら某国民的怪獣映画以上に反戦のメッセージがわかりやすく表現されていて、構成の綺麗さが印象的でした。
やはりCMディレクターから映画監督にステップアップされたような方は基本がきちんとできているんでしょうか。
先日鑑賞した『女優は泣かない』の有働佳史監督もCMディレクター上がりだったので、話の作り方が上手かったんですよね。
今後の作品がこれまた楽しみな監督です！
〈キャスト〉
加納百合(福原遥)
佐久間彰(水上恒司)
石丸(伊藤健太郎)
板倉(島崎斗亜)
寺岡(上川周作)
加藤(小野塚勇人)
千代(出口夏希)
加納幸恵(中嶋朋子)
ヤマダ(坪倉由幸)
ツル(松坂慶子)
※2023年新作映画162本目
