このレビューはネタバレを含みます
主人公・綿子の逃避行動は、見ている私たちからしたら、「そんなの少し思考を変えたら解決するはず」と思うことばかり。
つまり、人はひとりで悩むことによって問題を大きくしてしまうということか。
映画を見る前は、綿子はさぞかし木村のことが好きなんだろうな、と想像していたが…なるほど、この2人の関係には名前がつけられない。
お互いが拠点を分散させ、日常で冷静を保つための、公園とかそういう“場所”みたいな存在。
そして、自転車のペダルみたいに、どちらかがとれてなくなってしまうと現実がうまく前に進まないのだ。
一方、木村の父だけがひたすら本音を口にしていたのが印象的で、再会した綿子に言った、いや言ってしまった台詞が、登場人物全員の心の声を代弁していたのでは。
はからずしも、今の自分の悩みが映画と本日登壇されていた松本千秋さんのおかげで言語化され、スッキリしました!