のん

ほつれるののんのネタバレレビュー・内容・結末

ほつれる(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

初めての舞台挨拶つき上映会!!
映画が良かったのはもちろん、舞台挨拶で交わされる演者たちの言葉で終わった映画にさらに色がついていく不思議な感覚を経験ができた。

作る側の意図が見える空間とても良かった
向き合いをテーマに顔の向きだったり角度が意識されていたらしい。主人公のセリフが少ない分、自然と表情をよく見ていたけれど、麦ちゃんの演技はとても繊細で、人間の機微がよく表されていて引き込まれた。
誰1人アドリブがなく台本通りに進むと良いものができる、という精緻なつくりにも驚かされた。

物語としては、みんなどこか欠けている不完全な人たちを、どこかから覗き見るような物語。
表向きは穏やかに進んでいくのだけど心の中の葛藤が鮮やかに描かれてて、つい一緒に思いを巡らせてしまった。セリフが少ないのにとても心を揺さぶられる映画。染谷将太の言う通り、本当に『会話のアクション映画』。
「黙ってるわけじゃない、考えてるの」っていうセリフ、すごく共感できた。
音楽とかもほぼなくて、終わりの直前にある無機質でどうしようもない手遅れ感が表されていた。見てるのがつらい。

ついパンフレットも買ってしまった!
「人の弱さと浅はかさと情けなさが詰まりながらも、愛おしく思えてしまう作品」というノンスタ石田のコメントはまさにその通りです。

「ほつれたところから始まる物語なのか、物語の最後にほつれ始めるのか、それはみなさんの解釈があっていいと思います。僕はこういう映画が好きです。」って言い切る監督さんほんとかっこよかったな。6年後、私もこんなふうになっていたいな、と。作成側の話が聞ける場にどんどん行きたいな
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