思わぬ移動映画であり、逃走映画でびっくり。
この監督は演劇出身だそうだけど、
映像の感覚も持っていると思う。
心の距離と車、電車の移動(物理的距離)は
相似的関係にある。
そして人それぞれの輪郭線も
時に重なりつつ結局離れていく。
男は去り、女も別の男を残して去る。
ラストが車のバックショットなのも良いし、
不倫相手の妻の顔をバックショットで
一切映さないのも良い。
事故が起こった際も最後は門脇麦の
バックショットになる。
そこには明確な情性の排除があり、決意がある。
この監督の作品は引き続き追っていきたい。
