トールキン

ほつれるのトールキンのレビュー・感想・評価

ほつれる(2023年製作の映画)
3.8
どう感想を述べていいか非常に難しい。直接的なメッセージ性は伝わってこず、こちらで登場人物の心情などを憶測するしかない。終わり方もアッサリし過ぎていたけど、でも面白くなかったわけではないし、断片的に淡々と展開されていくがそれが逆に見やすく84分という長さがちょうど良い。
カメラアングルが秀逸で登場人物たちの会話ややり取りを第三者の視点で見ている感じが面白い。映画を見る、というよりも彼らのやり取りを傍観しているって感覚になれて妙に面白かった。

門脇麦さん演じる綿子の終始ずっと上の空、心ここに在らず、な表情に見入ってしまうというかそんな表情にどんどん引き込まれていった。旦那さんな文則が話しかけても適当な返事だけで、もうずっとあの人のことしか頭に無いんだろうなあって思う。
あと、文則みたいな人実際いそうでかなりイラッとした。理屈で物を語ってそれでグイグイ来る人。典型的なそのタイプだなーってずっと思いながら見てた。

そして、蓋を開けて見てみたらめちゃくちゃどろっどろな不倫劇でもはや笑えてくる。夫婦関係が冷め切った夫婦のやり取りほど見ていて気まずいものはない。先ほども述べたが第三者視点でそれを見てるから変にハラハラドキドキして何故か気を遣いながら見てた。それがまた面白い。

結局何が言いたいかと言うと夫婦生活ってやっぱり大変なんだな、と客観的に思う。
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