麻菜

ほつれるの麻菜のレビュー・感想・評価

ほつれる(2023年製作の映画)
4.8
多かれ少なかれ、誰の身にも覚えがあるような
洋服のほつれを見なかったことにして、何となく取り繕う
私はそういう人間だ
変わらない日常を送りながら、縋るように思い出をなぞる
正しくない行いをしている自分に対して、葛藤することが正しいとは限らない
自分が自分でいるためには、倫理感を捨てざるを得ないときもあるだろう
神様に罰せられた、天使ハールートとマールートを思い出した
暗い井戸の中でずっと、この世の終わり、最後の審判の日まで二人っきりで吊るされている
こうやって私たちも、冬に見つからずにいられますように
麻菜

麻菜