Ryoma

パラダイスの夕暮れのRyomaのレビュー・感想・評価

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)
4.2
哀愁漂うピアノ、そういう表現は耳にしたことがないし多分存在しないだろうけれど、まさしくそんな感じの音楽が随所で流れていた。その他にも、全体的にカウリスマキらしいセンスの良い音楽が流れていて、比較的シュールで単調になりそうな作品を彩っていた。
少し渋い大人の恋愛物語で、男女の度重なるすれ違いや付かず離れずの関係を、厳しい社会情勢や労働者階級の相違によって被る暮らし・生活への影響や生き辛さを鮮明に映しながら描いていて、ハリウッド作品とはまた違った、着飾りすぎたり気取りすぎたりしていないところがまたいいなと思ったし、恋愛要素と社会問題提起とのバランスがいいなと思った。
カウリスマキ作品は余計に長くしようとせず、短尺なところやピシッと終わらせるところがいいよね。
あと、今なら尚更、レコードが画面上に登場してくるのってなんかオシャレだなと思った😌
Ryoma

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