ジム・ジャームッシュ監督の
『ナイト・オン・ザ・プラネット』
っていうオムニバス映画がありまして、
最後のパートのヘルシンキ編...
辛気臭い寒い街で繰りなす悲痛な会話劇に辟易し、当時は「ヘルシンキ編を全部カットして時差的に変だけど東京編を撮って差し替えて欲しい！」と思ったものでした。
時を経て、
今まであまり馴染みのなかった、今冬新作が公開されるアキ・カウリスマキ監督作品を初期から順番に鑑賞している中で、この作品を観たのですが、その後すぐに『ナイト・オン・ザ・プラネット』のヘルシンキ編を久しぶりに振り返ってみたのです。
これがはじめて心にグッと染みたんですね。。
最初にタクシーに乗せる時に3人組が
「ゴミ収集車を呼んだ」ってジョークを言っていたのはそういうことですか！
街を走る車窓からは似たようなハンバーガーショップやその他の風景が。ヘルシンキの街並みってよくよく見ると凄く魅力的です。
タクシー運転手マッティ・ペロンパーの身の上話は、まるで『パラダイスの夕暮れ』で一緒になったふたりの（別の時間軸で）その後のような話でしたし、後ろの座席で話を聞くおっさんはあの心優しい同僚だったですし、仕事をクビになった眠りこけているおっさんの名前が「アキ」だなんて（笑）
『パラダイスの夕暮れ』
のレビューを書くつもりが
『ナイト・オン・ザ・プラネット』
のレビューにwww
本作『パラダイスの夕暮れ』は、
無駄な台詞を極力省いたハードボイルドな会話劇なのに、感情がグっと伝わってくるような見事な演出（とにかく編集のテンポが良い！）、音楽のチョイスの素晴らしさや、その音楽を劇中に挟むタイミングのうまさ等、ものすごく地味な作品なのにも関わらず何故かあとをひくのです。
すっかりアキ・カウリスマキ監督のファンになってしまいました♪
