カウリスマキ監督の労働三部作の一作目。
ゴミ収集車の運転手である主人公と、スーパーレジ係のヒロインとの恋愛を描いた作品。
主人公は、日々の単調な生活から抜け出す為に、英会話教室に通ったり、職場の同僚と独立を考えたりと、それなりに努力している。
それでも、彼女をレストランに連れて行くと、ドレスコードに引っかかってしまうし、洒落たデートもできない。
喧嘩して、留置所に入って、そこで知り合った男に仕事を世話してやるなど、人が良いのに、口下手で不器用すぎて、人生を損している。
そんな主人公を、客観的に無駄なく描き、最後にその人間味によって、愛を勝ち取る様を描く物語。わずか80分ながら素晴らしかった。
労働三部作として観ると、福祉の充実した国だと思ってたフィンランドであるが、カウリスマキ作品によると、生きて行くにも精一杯な環境の国みたいなのは、意外で驚きだった。