カウリスマキ作品を安心して観られるようになってきた。
なぜ男の子は自分の恋愛話を友達にするのが恥ずかしいのか?と思っていただが、実際そんなこともないのかもしれない。そして、女同士の本音丸出しの恋バナがでてきて笑う。
主人公が、外国語を学んでいながら自分の状況をいかにも表すかのようなフレーズが登場し、席を立ってしまうシーンがよかった。本来、恋に言葉はいらないのかもしれないが、いざ言葉にされると滑稽だというようなユーモアも感じてよかった。だが、ラストの二人を観てると、ストレートに言葉に表現するのも大事だと思う。
怪我で出会い、怪我で新たなスタートをきった恋……恋は傷つくものなんだという陳腐だが核心をついていることを静かに語る。
総じて、とても好きな作品。
ラストの音楽もやけに昭和歌謡っぽさがあり私の好み。途中でCanonのビルやら、Sony製品やらが登場し、親近感がわく。今回ははっきりとした色彩より、黄色やブラウンなどの色が印象深い。
相変わらず、主人公が作るご飯から、ホテルのご馳走が、ワインが美味しそう。そして極め付け、煙草もちながらの遠目からのキス素敵すぎるな。