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パラダイスの夕暮れのよく観るのネタバレレビュー・内容・結末

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

これ以上ないくらい美しい喜劇。愛情と友情の掛け合いが素晴らしく、たっぷり余韻に浸れる。

カウリスマキ監督の労働三部作。最後にこれを選択したのは正解だった。留置所で偶然出会った男前の人間に出会い、生活が少しだけ前に進む。
賭けに負け続ける主人公。同僚の提案で4人して映画と飲みに行くはずが肝心の彼女だけが来ない、同僚とのポーカーに連続で負ける、出会い頭のヤンチャ野郎にぼこぼこにされる。彼女とは何度もすれ違い、終盤、職業上のヒエラルキーに脅されることなく、真っ直ぐに恋敵を見つめ、「甘く見るなよ」と邪険にあしらう様子は純愛そのもの。
この先が薄い幸にまみれても、きっと仕事は見つかり、人生は華やいでいくに違いない。

鑑賞者に希望を託す名作。