湯っ子

Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心の湯っ子のレビュー・感想・評価

4.0
胡蝶の夢ならぬ、猫の夢の中にいた。目覚めたあとにもいつまでもいつまでもこの夢を思い返して、だけど正確には思い出せなくて。いまだに体の中にこの夢がゆらゆらと漂っている気がする。人生でいちばん大切なこと。こんにちは、さようなら。どこからともなく、「諸行無常」という言葉が浮かんできた。本来は虚しさや諦念をあらわす言葉なんだと思うけど、なぜかその響きは静かで優しくて、透明なあたたかいバリヤーで私を守ってくれるような気がして、ほかほかした心と体で家路についた。
湯っ子

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