まさなつ

亀も空を飛ぶのまさなつのレビュー・感想・評価

亀も空を飛ぶ(2004年製作の映画)
4.4
100本目は日本、200本目はアメリカ、300本目はイタリアだったので、400本目はアジアから、イラク映画で大好きなこの作品を。

イラク北部に住むクルド人の小さな村。フセイン政権末期の混乱した時代。戦争に翻弄される貧しい子供たち。
彼らクルド人は生まれたときから大人だそう。それは子供時代がないということ。言い換えれば教育でも遊びでも何一つ子供らしいことがないということ。何とも辛い現実。

ここでも彼らは、地雷を除去して武器商人に売る仕事をしている。何とも危険な仕事。手足のない子もチラホラ。彼らを仕切る少年がいて、大人顔負けの仕事ぶり。

その村に、フセイン軍の兵士に両親を殺され暴行され生まれた幼子を抱えた少女と両腕ない兄が避難してくる。彼ら兄妹のエピソードの悲惨さとやるせなさには言葉が出ない!

でもこの映画、悲惨なだけではない。時にユーモラスにも感じられる。
悲惨な状況でも逞しく生きる彼らの姿には逆にこちらが勇気づけられます。それだけによけいに胸が詰まります。

中々観られる機会はないと思いますが、もし機会がありましたら是非!
まさなつ

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