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あの世への口笛のdm10foreverのレビュー・感想・評価

あの世への口笛(2022年製作の映画)
3.7
【約束】

ご無沙汰しておりました🙇
映画はちょいちょい観てはいたんですが、ちょっと仕事で反吐が出そうなトラブルが続いてたもんで、なかなかレビューまで気が回らなくて…
ごめんちゃい🙏

ってな感じの近況報告ではありますが、ぶっちゃけて言えばまだまだ解決の目処も立っておらず、とりあえず厄払いも兼ねて髪を切ってまいりました👮
え?サッパリしただけ?
い〜じゃないのぉ🧑🦲

ということで、ようやく作品のレビュー🥸☝️
こちらは久しぶりにSSFF&ASIA2023にて。
以前chaooonさんがご覧になっていて、気になっていたので観てみました。
5分間のアニメーションではありますが、独特のタッチから伝わってくる「悲しみ」の体温がとても印象的で、時間の割りに求心力が結構強めの作品だと感じました。

ただ・・これは難しいね…
っていうか、額面通りに受け取ればとても苦しいお話。

戦争によって、平和だけではなく「愛する人」も「子供の瞳の輝き」も「穏やかな色とりどりの日常」も、あらゆるものを奪われていくのはいつも弱いものたち。

暗闇の中で息を潜めて生きる女性や子供のうつろな目と、それとは対照的に外では好戦的に他者に拳を向ける男たち。

誰かが何かを奪うとき、そこには「奪うもの」と「奪われるもの」が生まれる。
戦争に勝者はいない。
そこにいるのは、多かれ少なかれ何かを失った敗者たちの群れ。

原題の「in quanto a noi(イタリア語)」を日本語に訳したら「自分たちにとっての価値」って感じかな・・。

大勢の人を殺す兵士たちにとっては「その他大勢の中の一人」。
でもその一人ひとりに感情があり、命があり、尊厳がある。

歴史の中で何度も繰り返される争いが奪ったのは「その他大勢の命」ではなく「一人ひとりの命」

一生懸命練習した口笛で私はここにいると伝えるから、必ず迎えに来て・・・・。
互いを探しあう口笛の音が銃声や怒号にかき消されない世の中を・・・せめて・・・。
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