かさま

哀れなるものたちのかさまのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

先行上映で見た。とても面白かった。
所有物扱いをする男性たちを尻目に様々な経験をして自己を確立していく女性の物語と言えるだろうけど、その過程のかなりの割合がセックスなのは、ヨルゴス・ランティモスの作風かなと思う。今までの作品もだいたいセックスを美しいものとするという風な価値観ではなく、駆け引きの道具であったり規範の外を知ることの象徴のようだったりして、そういう描き方が好きだった。今作もセックスはベラにとって己を知ることであったり人を知ることであったり探求する要素になっていて面白い。娼館で働く際に、子供時代の話、ジョーク、匂いのエチケットと、客と自分との関係を良好にしてセックスするという工夫があった。セックスワークの位置づけとか、セックスの際のコミュニケーションが現代的だなあと思ったが、原作からなんだろうか。
ベルとセックスする相手は、セックスの契約を結ぼうとする相手(作中で言われる婚姻の役割ってセックス契約だったと思う)を含めて何人が出るが、それぞれの相手や場面でセックスがどんな意味を持っているかに変化があって面白いと思った。
マーサとハリーのパートはもうちょっと見たかった。
原作も読んでみたい。あと女王陛下のお気に入りを見ていないから見たい。
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