歩くのもままならなかったベラが劇中の冒険を通して大きく成長していくように、観ている我々も同じように成長できるような映画体験だった。
正直エマストーンが大好きな私にとって、前半部分は目を覆いたくなるような過激なシーンばかり。だが、ただの官能的な映画で終わらないのが本作最大の魅力のように感じた。
奇妙な音楽と美しい映像で不思議な世界観に引き込まれる。なんと言うか、ダークなウェスアンダーソン作品とでも言うような世界観。そしてコメディタッチな会話劇には劇中何度も笑いが起きていた。
多様な社会問題を扱いつつ、そこに強く言及しない。ただベラが自身の体験を通して学び、そして自分自身を形成していく。なんと言うか、私好みのストーリー展開でとても好きな作品だった。当然万人におすすめできる作品では無いが、大胆かつ繊細な脚本とエマストーンの演技には多くの人が心を奪われると思う。
