CatValentine

哀れなるものたちのCatValentineのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
未知で無垢なベラを探究心で満たせ愛せ

独創的なビジュアルを魚眼で覗く不思議な感覚と常軌を逸するストーリーは全く退屈させない
エマ・ストーンの怪演に圧倒され、脳裏に直接響く不穏な劇中曲は更に作品へと惹き込ませる。時に耳を塞ぎたくなるような高音は心底不快で中毒性がある。Jerskin Fendrixという奇才の名前はこの作品を機に忘れる事が無さそう

今作の注目すべきポイントは至る所に異様な存在感を持ってそこにある
特にエマ・ストーンの衣装には終始釘付けだった。ベラが着ることにより間接的に感じられるゴッドの貴賓と独自性を完璧に表現している。
レースやチュールをふんだんにあしらったドレス達は本当に可愛らしく美術的で素敵だった。

また、人間の本能的な部分もよく表れ出ている。航海の先々で取り扱う感情、思考のテーマが分けられ明確なのは理解し易く、有り難い。快楽、混沌、暴力、様々なものを越えた先に立ったベラは真の自由について問い続ける。その姿は深いメッセージを与えていて、よりこの作品に魅了される要因の一つになっている。


ここまで視覚・聴覚共に満足感のある映画に出会えて幸せ!ベラみたいな探究心で映画美術をもっと盛り下げたい

🐕+🪿
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