梅田

哀れなるものたちの梅田のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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ベラ(エマ・ストーン)は大人の身体を持った子供として存在し、心は世界に開かれながらも家の中に閉じ込められている。外の世界に怯えているのはむしろ男性→ゴッド(ウィレム・デフォー)で、父のように冷酷に科学者に徹することもできず、葛藤を抱えながら生きているように見えた。世の中の冒険譚の圧倒的多数は男性によるものだけど、この映画は「冒険」を奪われた女性が世界をいちから学びなおすという冒険譚になっている。
細部まで統一した美意識を貫こうとした結果がこのヘンテコな世界か。『女王陛下のお気に入り』をさらに突き詰めたようなわけわかんない撮影と美術! 没入感が失われると一気に「何見せられてるんだろ」みたいな気持ちになりそうなので、映画館で観た甲斐ある。単純にめちゃくちゃ面白いし。
梅田

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