ももじ

哀れなるものたちのももじのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
非常に暖かくて希望の持てる映画だった。ヨルゴスランティモス監督の毒っ気はマイルドとはいえものすごいし、パンチはかなり効いてて、驚くシーンもたくさんだった。万人におすすめはできないけど、よかった。

ベラの成長する姿に戸惑ったり笑ったり嫉妬に狂ったり、囲い込もうとしたり、反応していく周りの人たちの描き方が素晴らしく、人間の発達段階を見守っていくような…そして人は人の中で生きていくということを感ぜずにはいられない。

衣装がとってもとっても素敵。パンフレット読んで、その込められた意味を知ってさらに好きになる。新しい衣装でベラが出てくるたびに世界が変わっていく。彼女の成長に合わせて進化していくような。

ハッピーエンドに見えてやっぱり妙な読後感というかちょっと気持ち悪い感じが残るのもさすが。

去年ヒットしたプラスチックのキラキラかわいいバービーと、ぐちゅぐちゅした生々しくて美しいベラ。2つともフェミニズムを描いた映画だけど描き方は対照的でそれもすごく面白かったし、どっちも好きでした。
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